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【企業事例】東芝の決算発表延期問題に見る「組織としての決断力」

東芝は、ここ数年 不正会計問題、原子力発電事業の損失などで屋台骨が大きく揺らいでいます。

 個別の事情は、他の方々の記事などに委ねるとして。
上場企業として、経営の結果を公表する義務がある企業としては、異例の決算発表延期を続けています。

 本来発表するはずだった2017年2月14日から、1ケ月延期して。
3月14日からも、1ケ月延期して。
4月14日の発表は、監査法人の意見書無しでの発表を強行しました。

 監査法人の意見書とは、この決算が妥当な会計手続きに従って作成されたことを保証するオスミツキです。
東芝の場合、アメリカの原発事業子会社において、経営陣から利益をかさ上げする「不適切なプレッシャー」があったのではないか?という点で監査法人の疑念を
晴らすことができたいないために、意見書を得られていません。
つまり、東芝の決算書の利益は、第三者として正しいと保証できないということになります。

 株式会社とは、法的には株主のものということになっています。
上場企業として、市場から資金を調達するのであれば。
会社の決算情報を正しい手続きで後悔して、公正な価格で株式取引ができるようにするのが、会社側の義務です。
正しくない情報に基づいて株を売買して、損失を被るのであれば株主は浮かばれません。

 私は、個人的には株式会社は株主だけのものでは無いと考えています。
従業員が働き、顧客が商品やサービスを購入し、取引先、自治体など社会に支えられてこそ会社は存続することができます。
お金を出しているからと言って、それが全てだとは、特に日本の場合にはあまり当てはまらないように思うのです。

 でも、少なくとも、サラリーマン経営者のためのものでは無いと思います。
数万株程度は「義務的に」会社の株式を購入してはいますが。
一般株主と同列に扱うことは、できるはずもありません。

 なのに、どうしてオスミツキ無しの決算書を発表するという決断というか暴挙に踏み切ったのか?
社内事情を優先した、組織防衛のための決断だと、私は見ています。

 決算発表の再々延期となれば、株式の上場基準に抵触します。
無価値になるわけではありませんが、市場で自由に売買することができなくなります。
上場企業という信用も失われ、取引や社員採用などで、不利益を被るリスクが大きくなります。

 そして、経営陣としては。
今の立場にまで出世させてくれた先輩経営者への、恩義があります。
大企業に勤めるサラリーマンの目標は、出世が重要な位置づけにあります。
正しい決算を発表するよりも、法的な責任を全うするよりも。
会社組織を守り、先輩への恩義を果たすことの方が優先される価値観だったりします。

 第三者的には、社会的にはおかしいと思うような決断と行動も。
ある特定の環境、事情のもとでは、正当化されてしまうこともある。
今回の東芝の決算発表強行は、このことを教えてくれたように

思います。

 このような経営者を輩出しないように。
私自身のお役立ちも、スタイルを革めたいと思います。

 具体的には。
経営幹部としての「求められる行動パターン」の診断手法を導入すること。

決断力研修において、組織内での同調圧力に屈しないための思考と行動について、
ワークショップ形式でディスカッションすること。

そして、個人コンサルティングを通じたトレーニングとフォローアップを。
  
今後、このような取り組みを加速してまいります。

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