最近特に、「総合的に判断する」ということが言われますね。
企業の採用ばかりでなく。
大学入試にまで、「総合的な判断」が持ち込まれています。
点数だけで判断するのは、個人の人間性を否定するものだ、などと言われますが。
これって、ほんとうにそうなのでしょうか?
何かテストをして採点し。
それを順番に並べれば。
誰が合格で誰が不合格か、明快にわかります。
点数が多いほど、いいわけですから。
でも、「総合的」と言われると。
点数化することになじまないことも、判断基準に入ってきます。
点数化できないということは。
判断する人の「好み」が入り込むということです。
勉学のデキるできないを「好む」人もいます。
リーダーシップを「好む」人もいます。
協調性を「好む」人もいます。
声の大きさを「好む」人もいます。
着実な実務能力を「好む」人もいます。
従順さを「好む」人もいます。
全部が全部そろっている人材なんて、この世に存在しません。
もし存在したとしても、それはきわめて少数です。
「総合的」とは、「点数化」できないことの裏返し。
点数化できないことは、「好み」でしか決めようがありません。
ということは。
「論理」ではなく、「感情」で判断・決断していることと同じことです。
「感情」で決めると言われると、それはイケナイことだと言われそうですよね。
でも、「総合的」とは、個人によって解釈が違います。
ということは、個人の「好み」=「感情」で決めていることになりませんか?
私は、「総合的」とか「感情で決める」ということを、を決して否定しているわけではありません。
「総合的」という、一見まことしやかに思われる判断・決断の基準が。
実は、「感情」が左右しているということを指摘しておきたいのです。