【コラム】モノをつくる前に人を作る(松下幸之助) takashima 2年前 松下幸之助歴史館を訪れました。私の自宅から歩いて行けるところにあります。ちょうど秋晴れの日でしたので、良いお散歩になりました。松下幸之助はたくさんの言葉を残しています。その中で、人材育成についての深い言葉があります。「モノをつくる前に人を作る」です。松下電器(現パナソニック)は、幸之助と妻と義弟の3人が始めた零細企業です。採用で人材募集をかけても、優秀な人はなかなかやってきません。そこで幸之助は、自ら従業員教育に乗り出します。そして、中卒の小僧さんたちをしっかりと育て上げ、他社のベテラン営業マンと互角に渡り合えるようにしたのです。その時に言った言葉がこちら。「松下電器は何を作っているところかと問われたら、松下電器は人を作っているところです。併せて電気製品を作っております。こうお答えしなさい」単なるものづくりの会社ではなく、人材を育成することに力を入れている、信用できる会社であることをアピールします。会社は人で成り立っています。創意工夫を重ねる、お客様と心を通わせる、チームワークをよくすることは、人間でしかできません。機械やコンピュータ、AIは便利ですし、人間の能力を超えた働きをしてくれます。でも、人間社会は人間同士のふれあいが最後は大切。その最前線にいるのが、社員です。会計の視点で考えると、人件費は企業にとってはコストです。でも、価値を生み出す投資でもあります。人材教育、人材育成に力を入れている企業は、最終的には成長発展することを、幸之助の事例から学ぶことができますね。