「身内」と「他人」を分けるものは、覚悟です。

政治でも経営でも、「発言できること」と「決定できること」は違います。
意見を言える人は多い。
しかし、実際に決定に関われる人はごくわずかです。

私は、28年間勤めたパナソニック時代に、その現実を目の当たりにしました。

ある上司は、京大卒のMBAホルダー。
誰もが「この人は取締役になる」と信じていました。
しかし、40代前半で退職し、他社の「執行役員」へ。

ここで私は学びました。
取締役は“身内”。
苦労も成功も秘密も共有し、経営のリスクを共に背負う立場。

一方、執行役員は“優秀な他人”。
知識や実績は尊敬されても、意思決定には関われない。
本音の経営議論は、身内にしか共有されないのです。

これは、政治にも、人間関係にも通じます。
「閣外からでも意見を言える」という立場より、
「責任を負う覚悟をもって中に入る」ことの方が、はるかに重い。

経営においても同じです。
意見を述べるだけでなく、リスクを取って行動する。
その覚悟を持つ人だけが、真の信頼を得て“身内”として迎え入れられるのです。

あなたは今、どちらの立場で生きていますか?
「言う人」ではなく、「決める人」として生きる覚悟を持ちたいものです。