決断のプロセス (その2)

こんにちは。

今日は、もう一枚のシートで、決断の第二段階を詳しくご説明いたしましょう。

情報や記憶は、決断に必要なInputです。

外部情報は、人間の感覚器を通して脳に知覚されます。

人間は、外部情報をすべて脳に送っているわけでもなく、脳もすべての情報を記憶しているわけではありません。

たとえば、テレビCMや電車のつり広告などは、目で見て網膜に像が映っていても、そのすべてを覚えているわけではありませんよね。

「選択的知覚」という状況があります。

知覚された情報は、脳で「認識」されます。

なるほど、こういう状況にあるのだな、と。

そこから、思考が始まります。

論理的に物事を考えてゆくのが望ましいのですが。

なかなか論理だけで考えるのが難しいのが人間の人間らしいところです。

記憶をたどろうとしても、その記憶が間違っていたり、無意識のうちに書き換えられていたりすることもあります。

論理的に導かれた結論も、感情として受け入れがたいこともあります。

こうした知覚、認識、思考は、それぞれの人に特有なModelとして、私は5つにパターン分類を行います。

ここまでは決断のスキルを高めることで、より良い決断ができるようになるのですが。

決断のマインドとして、心の状態が決断に大きな影響を与えます。

社会的圧力とは、第三者の意見や、自分の立場によって「望ましい行動」を強制されること。

なかなか抗いがたいことも、ままあります。

そして、達成意欲が高いと、決断がしっかりとできますが。

高すぎると、意欲が空回りして拙速な決断につながりかねません。

意欲が低いと、決断をしたくなくなり、先延ばししてしまいます。

決断には、スピード、クオリティ、許容度の3要素があります。

スピードとは、タイムリミットまでにきちんと決断を行うこと。

クオリティとは、問題解決に必要なことをきちんと決めること。

許容度とは、合意形成や結論を、自分そして周囲に受け入れてもらえること。

その時々で優先されること、満たされるべきことが変わりますが、納得性の高い決断を行うには、決断の3要素についてしっかりと考えておくことが大切になります。

そして、決断したことは、行動に移してこそ価値があります。

決断しただけでは、「よき意図」の段階でストップしているだけ。

決断して、実行して、ワンサイクルなのです。

決断には、「目的思考」をしっかり持つことが大切です。

決断とは、問題を解決しようとする行為、行動です。

こういう状態になりたい、という目標(To Be)を描き。

現状(As Is)をしっかりと認識すること。

目標と現状のギャップが、「問題」なのです。

そして、目標とは、その延長線上にある「目的」としっかりつながっていること。

目的、目標、手段を混同しては、良い決断ができません。

あるいは、行動したこと自体が、さらなる問題を生み出すこともあるのです。

自分は、何を目的としているのか。

自分の人生の目的とは何なのか?

この組織の目的は、何なのか?

ここがしっかりしていなければ、どういう決断を行ったところで、たどり着くところが意図しないところになる危険性が高くなります。

決断力診断シートも、作成しました。

よろしければ、お試しいただきますよう。