2016年9月のコラムで、経営者や上司は、社員や部下に「仕事を任せる」決断を、と申し上げました。
でも、何も準備しないで仕事を任せることなど、到底できません。
今回は、部下が、その仕事をやり遂げるだけのスキルがあることを、前提条件としてお伝えします。
仕事をやり遂げる力量があるはすなのに、なぜ成果が上がりにくいのか?
多くの場合、仕事の「目的」が共有されていなケースがよくあります。
私自身の経験でも、上司と仕事の目的が共有されていたときは、いい仕事ができたと感じています。
特に、プロジェクト活動においては大きな違いがありました。
「同じ職場で一緒に仕事をしているのだから、これぐらいわかっているだろう」
そんな思い込みがあると、せっかくの努力が 仕事の成果に結びつかないのです。
部下は、部下なりの視点で仕事をしています。
スキルがあっても、経験が少なかったり。
言われたことをやるので精一杯、ということもあります。
「この仕事は、どういう目的でやっているのか?」ということまで、頭が回らないのです。
仕事の目的が、上司と部下で共有されていれば。
実現する「手段」「方法」は、部下に任せることができます。
そうすれば、部下は自らの創意工夫を加えることで、やる気が高まります。
仕事の成果も、上がりやすくなります。
20世紀は、「仕事は見て覚えるもの」「上司の仕事を盗むもの」というような仕事スタイルが主流でした。
みんなが食べるために必死になって仕事に取り組んでいた時代では、こうしたスタイルでも部下は育ちました。
豊かな社会、人手不足社会となった21世紀は、仕事とは自己実現の手段だと考える人が増えています。
自分の仕事にやりがいを感じ取れなければ、簡単に辞めてしまう時代です。
「自分は何のためにこの仕事に取り組んでいるのか?」
「この仕事を達成すると、どんなメリットがあるのか?」
どんな仕事にも、その目的があります。
目的が共有されていれば、一貫した方針で組織が、メンバーが動くことができます。
仕事とは、単に「作業を委託」することではなく。
組織・お客様・社会により良い結果をもたらすために、行うことなのです。