【コラム】黒子に徹しろ!黒幕になるな

「黒子に徹しろ。黒幕になるな」
パナソニック時代に、私がきつく指導を受けていたことです。

松下幸之助の直轄部隊として、大きな権限を持っていた「経理社員」。
事業部長の意思決定を実質的にコントロールするとともに。
事業部の実態を、本社に直接レポートする権限を持ち。
各部門から頼りにされ、相談され、方向付けする重要任務でした。
「経営経理」「経営の羅針盤」「会社の乱れは経理の乱れ」という言葉もありました。

このように、大きな権限を持っていると。
つい、あれこれと指示命令したくなるものです。
そして、手柄を自分のものと勘違いするようになりがちです。

でも、スタッフの仕事は、あくまでも方向付けとメンバーの巻き込み。
実際に動いて、成果を出したのは、各部門です。
だから、手柄は各部門に譲り、黒子に徹することが大切になるのです。

自分から手柄顔しなくても、みんな誰が実質的に動いていたのかはよく見ています。
何かの表彰の折に、私の名前も入れてくれていたり、感謝の言葉があれば、それだけで十分。
裏方仕事というのは、そういうものなのです。