【コラム】タイムマネジメントにこそ必要な決断力

近年、タイムマネジメントに対する関心が高まっていますね。
2022年の流行語として、タイムパフォーマンスが選ばれました。

以前にはコストパフォーマンスという言葉がよく使われました。
これだけのお金を使うのだから、どのような効果やメリットがあるのか?
同じことを時間に対しても考える人が、特に若い世代を中心にして増えています。
私のところにも、タイムマネジメントや時間管理に対するお問い合わせや研修依頼が増えています。

私は、タイムマネジメントは決断力そのものだと考えています。
人間は、今現在できることは、たった一つしかありません。
どんなに優秀な人でも、どんな権力者であっても、同時に二つのことはできません。
もちろん、誰かを代理として複数のことはできるでしょう。
でも、自分自身でできることはたったひとつ。
これは、全員が同じ条件であることを表しています。
ですので、刑事ドラマで出てくる「アリバイ」が成立するわけです。

今あなたが何かをする!と決めたのであれば。
そのほかの選択肢は、すべて捨てなければなりません。

この記事を読んでいる瞬間は、他のことができません。
BGMで音楽を聴くなどの「ながら作業」はできるかもしれません。
でも、注意力を分散させて、手を動かして、メールの返事をする、SNSに投稿するなんてことはできません。
何らかの行動で時間を使うとすれば、その他の行動が全くできない、ということになっているわけです。

もちろん、ここまで深く考えて私たちは日常の行動をとっているわけではありませんよね。
無意識のうちに、自分の身についた生活習慣や行動パターンが表れています。
それでいいと、私も思います。
でも、時間の使い方の上手い下手が、人生を大きく左右していることもまた事実です。


ビジネスに、目を転じてみましょう。

時間は、「第六の経営資源」とも言われます。
20世紀には、経営資源として「ヒト、モノ、カネ」の3つが挙げられることが多かったですね。
21世紀になり、「情報」「知識」も経営資源としての存在価値が高まるようになってきました。


ここに、「時間」が付け加えられました。
グローバル競争とは、時間軸の戦いだと言われます。
同じことをやっていても、早い者勝ちになるということです。
例えば、同じことを思いついても、特許は先願主義と言って先に申請を出した方に認められます。
まさに時間がビジネスの成否を分けることになっています。

つまり、今の時間を何に使うか?どう効果的に使うかが、ビジネスにおいてとても重要なのです。
その時間の使い方こそ、何を優先して何を後回しにするのか。
何をやって、何はやらないのか。
これを決めてゆくための決断力が問われています。

放っておいても、ぼーっとしても、時間は流れてゆきます。
私たちの意図があるなしにかかわらず、流れてゆきます。
そして、ある程度の時間が経過した後で、時間の使い方に対する後悔や反省が出てくることもよくある話です。

もしあなたが、自分の仕事を成功させたい!より良い人生を過ごしたいと思うのであれば。
時間の使い方を見直すことをお勧めします。
そのためには、「自分は今この時間を使っている!」と意識すること。
その上で、自分が時間を使うことに対して決断しているということを、意識することから始めてみませんか?