人間は、いつでも合理的に物事を考え、判断しているわけではありません。
人間であるがゆえの間違い、ミス、誤解や錯覚など、陥りやすいトラップについて、どのように対処すればいいか、考えてみましょう。
決断力の全体構造は、このようになっています。
第一段階は、「記憶の形成」、第二段階が「実際の決断」です。
人間は、それまでに見聞きしたことで、記憶を形成しています。
いきなり決断をするのではなく、事前に何らかの関連する記憶を持っているのです。
Factor:こういう事実がある、こういう経験をした、ということで、あなたの脳と体が事実体験をします。
そこから、System:なろほど、こういう仕組みで動いているのだな、こうすればいいのだな、こうすればうまくいかないのだな、ということを知り、認識します。
その結果を、Memory:記憶として脳にしまい込みます。
こうすればうまくいく、こうすれば失敗する。
いいことも悪いことも、記憶するのです。
第二段階では、実際に決断する場面に直面したときです。
Input:こういう状況に至った、こういう情報がある、と、インプットされます。
外部的に与えられた情報だけでなく、過去の記憶や知識も動員されます。
そして、Model:あなたなりの思考モデルが働き始めます。
情報を知覚、認識して。
論理的に考えようとしますが、感情が邪魔をすることもあります。
モデルに影響を及ぼすMind:心の動きがあります。
第三者などからの、社会的圧力もありますし。
達成したい!という意欲の強弱もあります。
そして、Outoutとして決断・実行があります。
実行がうまくいくためには、Humanity:人間性が大きな役割を果たすこともあります。
特に、対人関係や経営者・管理職として人を動かす場合には、人間性次第で協力の得られ方が大きく異なります。
この図は、コンピュータがどのように情報を認識して、計算し、出力するかのフローチャートを参考に作成しました。
人間とコンピュータはよく対比されますが、人間ならではの決断のプロセスが、2つあります。
MindとHumanityです。
コンピュータには感情が無く、人間は感情を切り離して物事を考えることができません。
同じデータを認識しても、論理と感情のパターンの違いで、異なる決断をするのが
人間です。
次回以降で、人間ならではの陥りやすい罠について、お伝えしてまいります。