仕事とは、究極のところ決断力である

「仕事がデキる」とは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか?

よく「彼は仕事がデキる」「あいつは仕事ができない」などと言いますよね。
このとき、何を基準にしてそう言っているのでしょう?
漠然としたものを 「なんとなく」感じているのではありませんか。

私は、「仕事がデキる」とは「決断力がある」ことだと考えています。

たとえば。
良品か不良品かを判断するには、決断しなければなりません。
伝票を処理するには、内容の是非を決断しなければなりません。
お客様と取引するには、数量、納期、価格などを決断しなければなりません。
上司に報告すべきこと、自分で処理できることを決断しなければなりません。
上司として検印するには、内容の妥当性を決断しなければなりません。
会議で意見を言うには、自分の立場と論拠を明確にする決断が必要です。

「ある基準」に沿って、OKかNGかを決断する。
仕事の本質とは、突き詰めて考えれば そういうものだと思います。

仕事って、言われたことをただ言われたとおりにやっていればそれでいい、という
考え方もあるかもしれません。
でも、それだけでは進歩もありませんし、仕事の面白さを実感することもほとんど
無いことでしょう。
でも、自分の考えや創意工夫を活かすことができていると感じることができれば。
仕事への取り組み姿勢も、随分と変わってくることでしょう。

決断するには、その根拠を説明する責任が生じます。
そして、決断した結果に対する責任も生まれます。
そのために、規則や規定、手順書、マニュアルなどが作られてゆきます。
基本的には、誰がやっても同じような職場状況を整備するために。
そのうえで、イレギュラーな状況にどのように対応するのかが、決断です。

決断とは。
経営者や上級管理職の仕事のように、不確実なものに対してリスクを取って決断する
ことも、もちろんあります。
一方で、日常業務や定例業務をきちんと行うにも、決断力は必要なのです。

その前提として、業務をきちんと行えるスキルがあるのはもちろんのこと。
業務を行うスキルだけでなく、是々非々で判断できる経験・見識・知識などが
備わってこそ、日常業務や定例業務を確実に行うことができるのです。

このように考えると、日常業務も奥深いものだと感じませんか?