最近は、あちこちで「変化が激しい」と言う言葉を耳にしますね。
マスコミ報道だけでなく、企業トップの訓示、会合のあいさつなど。
これを言わなければあいさつではない、というイメージを」持っています。
私の実感ですが、「変化が激しい時代」と口にする人ほど、決断が遅い傾向があります。
どうやら、決断しないことの言い訳に、変化が激しいのでじっくり考えたい、という意味合いで使っているようです。
じっくりと考えることは、もちろん大切だと思います。
でも、スピード感が無ければ、現代経営では致命傷になりかねないのです。
たとえば、ライバルに先手を打たれることになります。
中国企業、欧米企業の意思決定の速さには、日本企業では追随できないものがあります。
シャープを再建した鴻海精密工業の意思決定の速さは、経営的な意思決定、業務上の意思決定でも驚くべきものでした。
意思決定が遅いと、取引先からも、有益な情報が集まりにくくなります。
「あの会社には持って行っても無駄だ、時間がかかる」と思われたら、他社になびいてしまうからです。
まずはやってみて、修正をすればいいと考えている経営者は、「変化が激しい時代」とは言いません。実践しているから、当たり前になっているからです。
当たり前のことを、いちいち口にする必要はありませんからね。
決断しない言い訳を、時代のせいにしないこと。
現代経営において、自分のやるべきこと、やりたいことは、サッと決断できるようにしておきたいものです。