【事例】テスト生としてキャンプインすることになった木村昇吾選手の決断

今日から、プロ野球もキャンプインですね。

2016年のシーズンに向けて、本格的に始動します。

今年のキャンプには、「特別な立場」で参加する選手が1人います。
今日は、その選手の決断について書いてみたいと思います。

「特別な立場」の選手とは、西武ライオンズのキャンプに参加する、木村昇吾
選手のことです。
何が特別かと言いますと、木村選手はFA(フリーエージェント)を宣言した
選手だからです。

FAと言うと、高給取りの選手の「権利」のように思われがちですが。
本来は、一定期間一軍出場した選手に与えられる、一般的な権利です。
(と言っても、一軍に出場し続けること自体が素晴らしいことですが)

木村選手は、昨年秋にFA宣言を決断しました。
ところが、所属していた広島カープ以外の11球団から、獲得したいというオファー
がありません。
唯一、西武ライオンズだけが「キャンプでテストして、良かったら獲得する」と
申し出たので。
異例ではありますが、FA宣言した選手が、テスト生としてキャンプインすることに
なったのです。

FA宣言というのは、選手から球団に対して移籍の権利を行使するわけです。
これまで育てて貰ったとか、試合に出してもらったとかの「恩義」はありますが。
「自分の力を、ほかの球団で活かしたい!」
「自分の評価を聞いてみたい!」という、夢や希望もあるわけです。

木村選手は、内野ならどこでも守れる、ユーティリティプレーヤー。
左打ちで勝負強い打撃も持ち味で、しかも俊足です。
広島では、守備固めや代走が主でしたが、スタメンで登場することもありました。
年俸4100万円は、決して高いわけではありません。
ただ、年齢が35歳というのがネックかもしれません。

広島に居続けたら、35歳の選手としては そこそこの年俸を貰うことが出来ます。
球団も、高い評価をしてくれています。
居心地はいいわけですが、レギュラーとしては使ってもらえません。

広島カープは、FA宣言しての残留は認めていません。
ということは、FA宣言して獲得球団が無ければ、自動的に引退になってしまいます。
今まさに、その崖っぷちに立っているわけです。
第三者的に見れば、「なんてもったいないことを!」と感じるかもしれません。

それでも、木村選手には悲壮感は無いようです。
それは、自分で決断したことに後悔していないから。
結果はどうであれ、自分の決断はこれでいいと思っているからでしょう。

望むらくは。
西武ライオンズに無事に入団して、2016年のシーズンはレギュラーで出場して
もらいたいものです。

去年は、黒田投手の「男気」が、世間の注目を浴びました。
今年は、木村選手の「男気」を見たいものです。