「数字力」についての注意点。
それは、「モノ」と「コト」に限定してお使いいただきたい、ということです。
間違っても、「ヒト」について数字化することは避けましょう。
数字というのは、「客観性」が強く出ます。
数字そのものに意味は無くても、デジタルなイメージを持たれてしまいます。
ビジネスにおいてはとても大切なことなのですが、人間というのは感情の生き物。
数字や論理が正しいからと言って、それですぐに納得するものではありません。
むしろ、「自分の感情を受け止めてくれた」と思えることで、納得する場面も多いです。
たとえば、勤務先で人事評価を行う場合でも。
10人の部下が居れば、1番から10番をつけないといけません。
これがなかなか辛いものですよね。
人事に提出する資料には番号を付けたとしても、部下個人に順位を示す必要はありません。
「よく頑張ってくれた」とか、「今年はもうひとつかもしれないが、来年は期待している」などと、アナログな言い方でないと角が立ちます。
よく、「グレード」と称してABCでフィードバックするのも、そのためです。
また、部下からの言い分にも、上司としての評価を変える必要なありませんが、耳を傾けるだけでも部下は納得することが多いです。
販売実績や予算金額は、数字化することでわかりやすくなり、比較し、共有できるようになりますが。
人間に関することは、細心の注意が必要です。
仮に数字化したとしても、相手には絶対に伝えない方がうまくゆくことが多いです。