2016年初頭の株式市場に見る「感情コントロール」の大切さ

 2016年の株式相場は、大発会から6日連続の値下がり。

戦後初めてのことだそうですね。
その後も、不安定な動きが続いています。

 その背景にあるものは。
北朝鮮の水爆実験に、イランとサウジアラビアの断交という外交要因。
中国経済の減速、アメリカの利上げ予定という経済要因。
不安要因を数えると、「もっと下がるかもしれない・・・!」という恐怖感に駆られます。

 この「恐怖感」こそ、冷静な決断を鈍らせる最たるものです。
「損をする!」という恐怖感ほど、株式市場で人間が理性を失うことはありません。
誰でも「儲けたい!」と思って株を買っているのですが、損はしたくありません。
(心理学の実験によれば、損したくない!感情は、儲けたい!感情より2倍も強い
そうです)

 損したくないので、いち早く売ろう!と売りが殺到して。
売りが売りを呼ぶ、パニック状態になるからです。
最近のコンピュータ取引は、一定率以上値下がりしたら自動的に売り注文を出すので、
下げ幅が一気に拡大することも背景にあるようです。

でも、このままでは終わりません。

各国政府も、なんらかの対策を打ち出すでしょう。
それとともに、人々の気持ちも落ち着きを取り戻すことでしょう。
そうなれば、株価は上昇に向かいます。

 私は、決断力を序・破・急の3ステップで説明しています。
序:数字力     ・・・事実を数字で正確に把握する
破:合理的思考   ・・・筋道立てて考える
急:感情コントロール・・・心の動きに気を配る

 相場が大きく下げた時こそ、プロは買うタイミングを見計らっています。
すべての株価がゼロになることは、ありえません。
どこかで必ず反転します。
プロはこのことを知っているので、冷静に買い時を待っているのです。

感情で売買するのが、素人。
数字力と合理的思考に基づいて売買するのが、プロ。
素人とプロの違いは、自らの感情をコントロールして、冷静な思考を保つことが
できるかどうかにかかっています。