人心の機微がわかる経営者が 会社を伸ばす

「1日7時間15分しか働かないから、仕事が面白くなる」。
岐阜県にある、未来工業という建築資材メーカー相談役(創業社長)の本です。

この会社、社員の自発性を引き出すための仕掛け、仕組みをきちんと整えています。
社内のあちこちに「常に考える」という標語を掲示して。
残業禁止、提案報奨制度、ホウレンソウ禁止などを徹底しています。
定年は70歳、年間休日140日です。

その背景にあるのが、自ら考え、行動する社員をいかに育てるか、という強い思い。
経営者や上司が命令していると、上ばかり見て考えない社員ばかりになってしまいます。
そのことが、実は会社経営にとって長期的にダメージをいかに与えるのかと言うことを、徹底して考えたうえでの制度設計になっています。

日本人は、「義務」の考え方を刺激すると、どんどん真面目になるというのが山田さんの持論。
管理したり、疑ったりするから、さぼったり働かなくなる社員が増えると言うのです。
最近では、リストラや成果主義などを取り入れる企業が多いですが。
そこで削減された人件費よりも、働く人の感情を傷つけることの代償がいかに大きいかということを、知らなさすぎる経営者が多いことに警鐘を鳴らしています。

そういう社風の会社でも、管理職になったとたんに報告を求めたり、細かい指示を出す人間が居るのだとか。
普通の企業であれば、そういう勘違い管理職がいかに多いかは、想像に難くありません。

この本をベースにして、私のアイデアはたくさん膨らみそうです。
いい本に出会えて、ラッキーでした。

ホウレンソウ禁止で1日7時間15分しか働かないから仕事が面白くなる [ 山田昭男 ]