「決断」と「意思決定」の違い

「決断と意思決定って、何が違うのですか?」
こんな質問を、頂くことがあります。

確かに、この2つは良く似ています。
ビジネスの現場でも、同じような意味合いで使われます。

でも、決断力プロデューサーとしては、明確に区別しています。
「決断」・・・権限移譲できるもの
「意思決定」・・・権限移譲できないもの

人生に置き換えると。
就職、結婚、家を買うということは、決断です。
今日のランチ何食べる?は、意思決定です。

就職や結婚を、誰かに決めてもらうということは、現代日本ではありえないと思います。
人生の重大事ですから。
今日のランチを何にするかなどは、誰かに任せても大丈夫。
その経験を明後日にいかせばいいのですから。
もちろん、大事なお客様とのビジネスランチや、久しぶりに会う友人とのランチは別です。
店もメニューも、ご自身で吟味されることでしょう。

ビジネスに置き換えると。
月次生産計画の作成は、「意思決定」です。
生産能力、作業人員、営業からの受注情報、在庫情報、材料手配などなど。
たくさんの情報を集め、検討し、生産計画を立案するのは大変な仕事です。

でも、基本条件をマスター登録し、制約条件をインプットしてやれば。
コンピュータが生産計画を作成してくれます。
人間がやるべきことは、間違いが無いかの最終確認を行うこと。
これは、「意思決定」です。

同じ生産計画でも。
新製品の生産開始を決定するのは、「決断」です。
開発状況、新しい材料の手配状況、市場投入時期のタイムリミットなど。
すべての条件が揃っていて、新製品生産が始まるのは、今日ではレアケースでしょう。
どれかの条件が揃っていなくても、「リスク」をとって生産開始しなければいけない場面に遭遇します。

これは、コンピュータでは判断が出来ません。
人間が、「リスク」を負って「決断」しなければいけません。

何かを決めるにしても、権限移譲するかどうか・権限移譲するかどうかで。
「決断」と「意思決定」は線引きができます。

この説明で、ご納得いただけましたでしょうか?

下の表もご参考になさっていただきますよう。