最近は 中国をめぐる動きが、ニュースにならない日がありませんね。
ちょっと視点を変えて、中国共産党の意思決定と決断力について考えてみようと思います。
決断力の3要素である、スピード、クオリティ、プロセスを考えてみましょう。
スピードは、素晴らしく速いですね。
何か動きがあれば、素早くコメントを出します。
対抗する動きも、素早いです。
デモも、武装警察を動員してすぐに鎮圧してしまっています。
あらかじめシュミレーションしていたのか、準備をしていたのかと思うくらいの速さです。
決断のクオリティですが、これもなかなか効果的です。
尖閣諸島の接続水域に巡視船をずっと待機させていたり。
中国から日本に行くチャーター機をキャンセルしたり。
税関で検査する時間を長くしたり。
下手に日本を刺激しない程度に、じんわりと対抗手段を講じています。
決断のプロセスも、明確ですね。
ちょうど権力の交代期にあるとはいえ、意思決定のプロセスが明確になっています。
役割分担も、きちんとできていることでしょう。
こうしてみると、なんだか完璧な決断力を備えているように見えますが。
忘れてはいけないのは、この意思決定システムから疎外された人々が非常に多く存在する、ということです。
共産党員であり、そのうちのごく少数だけしか、この意思決定メンバーに仲間入りすることを許されていないからです。
そして、外交問題とは、相手がどう思うかということも大切です。
あまりヒステリックになったり、システマチックになったりすると、相手の感情を過度に刺激してしまいます。
決断は理性的に行うべきなのですが、感情は決断を横から揺さぶるような影響を与えます。
決断力の3要素が見事に揃ったように思える中国共産党。
でも、内向きの決断と外向きの決断には、相手があることの大切さを教えてくれる事例だと思います。