【政治事例】直接民主制の限界を見た、2016年イタリアでの国民投票

イタリアで、憲法改正法案が国民投票で否決され、首相が辞任表明する事態となっています。

イタリアは、少数与党による連立政権と、短い政権担当期間がずっと続き、その結果として長期的な視野に立った政治運営ができない、というマイナス面がありました。
今回の国民投票では、その原因となっていた上院の権限縮小案を政府が提出したのですが。
40%の賛成と60%の反対で、秘訣誰増した。

6月にはイギリスでEU離脱の国民投票が可決されたり。
ポピュリズムに揺れる欧州の混迷が、ますます深くなりました。

直接民主制というと、なんだか良いことのように思う人が多いのが日本。
でも、なんでもかんでも直接民主制というのは、私は疑問だと思います。

みんな日常生活で忙しいのが現代社会。
将来のこと、専門外のこと、面倒なことは、避けたいと思います。
その結果、理屈で考えたらわかりそうなことまで、感情で決めてしまいます。
みんなが同じ知識と理解力、影響への洞察力を持っているとは限りません。

議会制民主主義の良いところは、知識や情報をより多く持った人々が議論して決断できるところ。
政治家には権限を委任しつつ 監視と支援を行うことが、全体効率が高いと思うのです。