直感の落とし穴を知っていますか?

あなたは、直感でテキパキと決断していくことがありませんか?

直感で決断することは、大変便利な反面、間違いを犯しやすいリスクがあります。

直観的思考の驚嘆すべき点と、その欠点が明らかになってきました。

アメリカの行動経済学者、ダニエル・カーネマンの「Slow&Fast」が2013年に出版されて以来、心理学からも注目されるようになりました。

Slowとは、遅い思考。Fastとは、速い思考のことを指します。

・速い思考・・・自動的に高速で働き、努力をほとんど必要としない

・遅い思考・・・頭を使わなければいけない活動をつかさどる

速い思考の具体例

二つの物体のどちらが遠くにあるかを見てとる

突然聞こえた音の方向を感知する

「猫に○○」という慣用句を完成させる

おぞましい写真を見て、顔をしかめる

声を聴いて、敵意を感じ取る

九九を答える

大きな看板に書かれた言葉を読む

空いた道路で車を運転する

遅い思考の具体例

100m走でスタートの合図に備える

手品師の手に注意を集中する

人混みの中で、特定の人物の声に耳を澄ます

人混みの中で、白髪の女性を探す

歩く速度を、いつもよりハイペースに保つ

社交的な場で、自分の振る舞いが適切かどうかを自分でチェックする

自分の電話番号を他人に教える

・速い思考と遅い思考は、目覚めているときはどちらもオンになっている。

・通常は速い思考が働き、遅い思考はほとんど 使われていない。

・速い思考で問題解決できない時に、遅い思考が 動員される。

・意思決定の最終権限を持つのは、遅い思考。

・ある目標を達成するのに複数の方法がある場合、 人間は最終的に最も少ない努力で済む方法を選択するようにできています。

⇒速い思考で解決できるのであれば、それに越したことはない、と自動的に動いてしまいます。

速い思考とは、生き残ることが困難な自然環境のもとで、生命をつなぐために必要なサバイバル能力です。遅い思考とは、じっくりと考えることでより良い決断と行動をするために必要な、知恵を活かす能力です。

現代社会は生命体としての生き残りの脅威にさらされているわけではありませんので、速い思考で手っ取り早く決断するよりも、遅い思考の知恵をいかに引き出すかが大切になっていると思います。

速い思考と遅い思考の双方があり、その特徴をつかんでおくことで、より良い決断ができることでしょう。

発車間際の電車に飛び乗る、エスカレーターを歩いて上がるなどの行動は、「速い思考」を優位にさせる行動です。

できれば、危険を避け、じっくりと考える習慣を身につけるためにも、こうした行動は避けたいものですね。