【企業事例】「本当のことを言う」決断を促すために(野球賭博問題)

我が家の近くで、早咲きの桜が満開になりました。
ソメイヨシノの開花はまだですが、春が近づいていることを感じることが出来ました。

 その一方で、残念なニュースもありました。
巨人軍の高木京介投手のことと、広島県での中学生のことです。

 今日は、この二つに共通する「本当のことを言う決断」について、考えてみたいと思います。

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  「本当のことを言う決断」を促すために

 最初にお断りしておきますが、私は高木投手のことを擁護するつもりはありませんし、中学生のことを、非難するつもりもありません。

 一方はプロ野球に対する信頼を損ね、もう一方は自ら命を絶ってしまいました。
二つの事件そのものについて、どうこう言うつもりはありません。

 でも、二人とも「本当のことを言う」ことに、とても悩んでいたはずです。
口裏合わせをして、自分だけ罪を逃れようとしていたこと。
濡れ衣を着せられながらも、そては自分では無い!と言えなかったこと。
内容には天と地ほどの違いがありますが、本人たちはどうしたらいいのか

わからずに、心穏やかでない日々を過ごしていたのだろうと拝察します。

 周りに相談しようとしても。
ことの重大さ、自分に対する非難、今更ながらという想い、叱られる、怒られるという不安、やるせない想い・・・
自分のことを責めることは、たくさんあったかもしれません。

 本当のことを言うには、とても勇気が必要です。
童話「裸の王様」をひも解くまでもなく。
周りがそう思い込んでいること、すでに結論が出たことに対して、「実はこうなのです」とはなかなか言い出すことが出来ません。

 あなた自身が、高木投手や中学生の立場になることが無くても。
あなたの周囲にいる人、親しい人が、高木投手や中学生の立場にならないとはどうして言い切れるでしょうか。

仕事でのミスを言い出せない部下、テストの結果を言い出せない子供、都合が悪い情報を伝えにくい取引先など。
ひとりで悩んでいる人は、きっといるはずです。

 中学生の場合、「周りがもっと気付いてあげていれば・・・」という声もあるようです。
でも、それは事件を距離を置いて見ているからこそ言える言葉。
身近な人の変化に気付かないまま、忙しい日々を過ごしているのが、現代の日本人でしょう。

「不都合な真実」なんて、見たくもないし、聞きたくもない。
自分の価値観に合ったことしか、感知できなくなってしまっているのです。

 「本当のこと」を言う勇気を、悩んでいる本人に持て!というのは酷でしょう。
だからこそ、話を聴く方にも 本人以上に勇気が必要です。
「不都合な真実」を聞いても、相手を責めないこと。
相談するのが遅かった!と責めないこと。
自分のことを責められるとわかっていて、どうして相談なんかもちかけるでしょうか。

 高木投手の場合、奥さんや両親に相談できたことで、「本当のことを言う」決断ができました。
中学生の場合は、心を閉ざしたままで過ごし、自ら命を絶つという最悪の結果に
至ってしまったことが、残念でなりません。

 悩んでいる人に「本当のことを言う」決断を促すために。
私たち自身が、「不都合な真実」を受け止める勇気を持つことが大切なのだと。

今回の2つの事件から、このように感じた次第です。