自分で考え抜くことの大切さ

最近はAI(人工知能)に関する記事やテレビ番組が増えてきましたね。
先日は、健康寿命が長い人は、読書が好きだというAIの分析結果を見て、驚きました。

運動や食事に気を付けるということは、ご理解いただけると思いますが。
ビッグデータを解析すると、本を読むこと健康との関連性が高いことが明らかになったそうです。
人間では解析できない膨大なアンケート結果も、コンピュータの力を借りると思いもよらない分析ができるわけです。

その反面、AIの発展が脅威になっているのが将棋界です。
コンピュータのすさまじい発展により、プロ棋士といえども勝つことが難しい状況になっているそうです。

人間であれば、いくつかの候補手に絞って読みを深めてゆきますが。
コンピュータは、その計算能力ですべての可能性をチェックします。
そして、計算結果を数値化して、効果が高い手を指します。

そして、コンピュータは疲れません。
人間であれば、間違いや思い込み、疲労を避けることができませんが。
コンピュータは、電源さえあれば24時間動き続けます。
こうしたことから、プロ棋士といえども、将棋の研究にAIを活用している方が増えています。
特に、若手は全員が使っているとも言われます。

コンピュータが出した結果が最善だとすれば。
「赤ペン先生」のように、チェックしてもらうという活用方法があります。
そうすると、早く確実に強くなることができるでしょう。

でも、人間同士の対局では。
コンピュータを使ってチェックすることはご法度ですし、勝負師としての誇りが許さないでしょう。

結局のところ、自分で考え抜いて結論を出すしかないのです。
そのためには、コンピュータの力を借りることはあっても、全面的に頼ることはギリギリの勝負所で差がついてしまうことになります。
このことは、多くの棋士が指摘するところでもあります。

人生における決断も、これに同じだと思います。
就職や転職、結婚など。
絶対的な正解が無いところでは、コンピュータの力を借りることがあっても、最後は自分自身で考え抜かなければ、決断できません。
ビジネスにおいても、数値化されたデータは大切ですが、それだけでは重大な決断には難しいものがあります。

AIを活用することは、手段であっても、目的ではない。
普段から、自分の頭で考え抜くトレーニングをしておくこと。
それが健康寿命を長くすることにもつながりますし、後悔しない生き方にもつながると思うのです。