ファシリテーションとは「決める技術」

ファシリテーションは「話し合いのスキル」として紹介されることが多いのですが。
私は、「決めるスキル」だと思っています。
少なくとも、ビジネスの現場ではそう思います。

ビジネスの現場で行われる会議。
何のために、会議をするのかを考えないといけません。
それは、組織としての意思決定、つまり決断をするためです。

ファシリテーションの教科書で想定されている「公平公正な場づくり」というのがあります。
でも、ビジネスの現場で、そのような場面にお目にかかることはほとんどありません。
組織には上下関係が厳然とあり、意思決定権を持つ人が存在するからです。
こうした「エライ人」の意向を無視しては、「公平公正な場」という言葉は使えません。

一次取得者用マンションの総会のように、一人1票の意思決定権が公平に分配され、できれば全会一致、すくなくとも多数決で意思決定ができる場であればいいのですが。
ビジネスの現場では、会議にすら出席できない人、出席できたとしても意思決定権が与えられていない人というのが、存在しているのです。

ビジネスの会議において、決断する前に十分な話し合いが行われたかどうか。
全員の納得もさることながら、組織として質の高い決断ができたかどうか。
決断されたことに対し、参加者の納得もさることながら、組織として行動に移すことができるようになったかどうか。
ビジネスの現場でのファシリテーションは、こうしたことに気を配ることが大切です。