決断とは、論理と感情のせめぎあい

決断って、どのようにして考え、行うものなのでしょうか。

決断とは、論理と感情のせめぎあいです。
感情が勝つと、たいていロクな結果にはなりません。

ビジネスの場面では、論理的に行動することが求められます。
情報をきちんと集め。
情報を整理して。
筋道立てて考えて。
ヌケモレが無いか、確認して。
リスクとその対策を忘れないこと。
こうした準備、プロセスが大切です。

でも、そうは言うものの。
人間は「感情」の生き物です。

同じことを言われるにしても。
言い方、言った人、言われたタイミング。
感情を害してしまっては、素直に言うことを聴かない場合がありますよね。
むしろ、聴かない場合の方が多いのではないでしょうか?

それでも、冷静になって考えてみたり。
心を落ち着けてみたり。
信頼できる人にアドバイスをもらったら。
また、論理的に物事を考えられるようになりますね。

このように、決断とはきわめて人間臭い行動です。
単純に、論理だけでは前に進まないし。
かといって、感情ばかりで決断していては、いい結果を続けることはできません。

「論理」と「感情」の行ったり来たり。
それが、「決断」なのです。

私も、いろんな場面で事業部長をサポートしてきました。
事実を数字として集め、分析し、将来を予測する。
事業部長が決断しやすい状況を整えるのが仕事でした。

論理としてはA案を採用すべきだという結論を、事業部長のところに持って行くわけですが。
そのまま採用されるということばかりでは、ありませんでした。
却下されたり、別の案が採用されることもありました。

もちろん、私が知らない情報を事業部長が持っていて、その情報によって判断が変わったこともあります。
ですが、感情によって結論が変わったな、と思えることもありました。

それは、これまでの方針と違うことをする場合とか。
ステークホルダーと軋轢が生じるリスクがある場合とか。
本社との調整が難しそうな場合とか。
ビジネス上の決断とは、理屈通りにはなかなか進まないということを体験しました。

論理通りに決断できないのはなぜだろうと、ずっと思い続けてきました。
だからこそ、ビジネスは人間臭くて 面白いと思えるようになったのです。