上司を動かすには、上司の立場になって考えること

私が30歳で係長に昇進する時のこと。

昇格研修で、あなたの職場課題とその解決方法について発表するという課題があった。

3ケ月くらいかけて考え、行動し、成果を出し。
面接者(部長・ベテラン課長クラス3人と人事責任者)の前で15分間で発表するのだ。

当時の私は、「機種別実績原価の把握」という課題で発表した。
ところが、実績原価把握の重要性という「何を What」を訴えるだけで、「なぜ必要なのか Why」に対する答えが十分ではなかった。
担当者として、実務の観点から物事を見ていたからだ。

今ではビジネス経験を積み、上司は「なぜ」という問いを大切にしていることを理解している。
もちろん、説得力ある発表が十分できる自信がある。

でも、担当者は自分が与えられた範囲で物事を考えてしまいがち。
機種別実績原価の把握は、原価管理を通じてコストダウンをはかり、利益を向上させるだけでなく。
新製品の価格設定、お客様との価格交渉の基盤となる。

実務の世界ではこのことが重要だと思ったのだが。
経営者や管理職に対して、彼らの価値観にピッタリくる説明が十分ではなかったと反省している。

自分が大切だと思うことは、自分の価値観を反映したものに過ぎない。
昇進するということは、次のステップでの仕事ができているからのこと。

上の立場ではどういうことを考えているのか、ここの想像力が大切なのだ。